うちの長男は1歳半ごろ、もうよちよち歩きを卒業するかしないかの頃から、いつも走っていました。横目で。
最初はなんだかよくわからず気にもしていませんでしたが、走るときにいつも横目だったので、だんだん気になりだして、不安になってきてしまいました。
横目走り、で検索すると、当時の私もそうでしたが自閉症と関連付けて心配している人が多いように思いましたので、いま17歳になっている長男がどうなっているかも含めて、少し書いてみることにしました。
横目走り、遅い言葉
1歳半検診を前に、どうも長男の横目走りが気になって仕方なかった私は、検索魔と化していました。
当時は今ほどの情報量もなく、誰かからの意見が聞ける場所もそれほどネット上にはなかったように思います。
一人で検索しては悪い方へ悪い方へと考えて、この子は病気ではなかろうか…、と毎日悩んでいました。
そんな私にお構いもなく(当たり前ですが)よちよち歩きからしっかり歩けるようになるかならないか、そんな頃から長男の暴走が始まりました。
どこでも走る、手をつなぐと振り払って逃げていく、追いかけ回してそれはもう大変でした。
そんな日のこと、いつもなら走って遠くに行ってしまう長男が、なぜか戻ってくるではありませんか。
「お?自分で戻ってくるなんて偉いじゃない」と喜んだのもつかの間、その理由がわかって愕然としてしまいました。
壁についた手すり、それを横目で見ながら往復しているのです。
さすがに我が子ながら不気味に思って、すぐに辞めさせて担ぎ上げてその場を離れました。
また違う場所でも、手すりを見ては横目で走り、腰の高さくらいに切り替えのあるような廊下の模様なども同様に、子どもの目の高さ前後あたりに好きそうな(笑)ラインがあると横目で走る、それを見てはため息をつくそんな日が続いていました。
母子手帳の1歳半検診のページを改めて見てみると
「ことばをいくつか話しますか いいえ」
「絵本を見て動物や物の名前をきくと指差しますか いいえ」
「おとなの簡単な命令がわかりますか いいえ」
「うしろから呼んだとき振り向きますか いいえ」
とことごとく「いいえ」に○をつけていました。
「極端にまぶしがったり目の動きが気になることがありますか」には「?」と書いています。
私の心配症な性格を知っている親や周りの人たちは心配しすぎ、なんともないよ~と言いました。
でも単語も出ていなく、振り向かず横目で突っ走っているのですから、それは私でなくても心配になって当然ではないかと今になっても思います。
ミニカー直線並べ、床に寝そべりプラレール、手をヒラヒラ
そして長男は、1歳半から3歳にかけて、横目走りで言葉が遅いだけではなく、色々と見ていて心配になるようなことを次々やってくれるのでした。
男の子ですから、車や電車が大好きで、それはよいのですが、どんどん増えるのですね、車や電車のおもちゃが。
そして増えることもかまわないのですが、ミニカーが増えるとまた別の心配が沸き起こって来る出来事が起きるのでした。
部屋の端から端、廊下、まっすぐ並べられるところに出来る限り長く直線に並べるのです。何も知らないじいじなどは「お、渋滞か」などと喜んで一緒に並べていましたが、私はもう見ていられなくて「トンネル~」といいながらダンボールで隠したりしていました。
電車も寝そべってプラレールの走っているのをガンガンに凝視していました。
臨場感を味わうために寝てプラレールが走ってくるのを見るというのならわかりますが、寝そべって手で転がしながらでも車輪を見ていましたから、車輪そのものの回転を見ていたと思います。
あとから思い出したのですが、そういえば赤ちゃんのときも座って乗るB型ベビーカーに乗るようになってからは、身を乗り出してタイヤが回るのを見ていたことがありました。
その頃は危ないからと座り直させたりしていましたが、とくに気にしていませんでした。
3歳児検診では尿検査で泣きわめいて当日採尿することができず、後日個別にかかりつけを受診するはめになりました。
そしてこれまたおかしな遊びなのですが、顔の前で手をバーっとブンブン振って、ときにはゆっくりヒラヒラさせて、それも見ていましたね。
保健所などからは特に指導もありませんでしたが、本当に変わっている子どもだと思っていました。
手のブンブンヒラヒラにはだんだん、効果音がつき、小学校に入ってもしばらくやっていました。
電車の走っている音だと本人は言うのですが「電車に乗っているのか?」と聞くと「電車になっているの」と言うのでこれはこれで心配でした。
その長男がどうなったかというと今は普通の高校生です。
とくに変わったところはありません。
当時はものすごく悩みましたし、あの頃のあれは何だったのだろうと今でも不思議ですが、長い年月を経過しての話はそんなには聞かないでしょうから、そんな一例もあるということで、何かのお役に立てればよいかと思います。